市民・行政・協働

住民監査請求のその後

これでは、「監査」が名ばかりになりませんか?

2010年6月2日、NPO法人町田発・ゼロ・ウエイストの会と、町田市との業務委託事業において、差異、(余剰金比率23%〜71%)が異常に大きいことに関連して住民監査請求を提出したところ、7月29日付で監査結果通知書が届きました。

内容は,「差異(余剰金)が生じても契約上の義務を履行しているから問題ない」、というものでした。何故差異が出たのか、委託契約金額が妥当であったか否か等、請求内容には全く触れることはありませんでした。

住民監査請求を行いました・・・参照)

請求した内容の監査をしない監査結果通知書を不服として申し立てをする為には、訴訟をおこして裁判という手段しかありませんが、市民にはとてもハードルの高いものです。なによりも、請求内容を監査していない以上、先に進めないというのが実状です。

「市民の税金をおあずかりしているという気持ちで仕事をする職員の意識改革」を掲げている市長はどう考えるのか・・・8月30日、いたたまれず、住民監査請求人として「市長への手紙」を市民相談室にFAXで送付しました。

1か月を過ぎても返事が無いため、電話で経過を尋ねたところ、「手紙」に住所、電話番号が書かれていなかった、担当部局から返事がきていない等を理由に放置されていた様でした。「市長への手紙は2週間以内に対応する」という決まりがある筈ですが、市民相談室職員の説明に疑問をもちつつも、要望から1ヶ月半以上経った10月20日、市長名で返事が届きました。

返事の要旨は、「法律上、監査委員にはその権限に属する事務を、自らの判断と責任において、誠実に管理し、執行する義務があるが、市長は、監査委員の権限に属する事務に関与することができない」というものでした。

『余剰金が出たのは何故なのか』『契約金額は妥当たったのか』『市民の税金が有効に使われる仕組みを作ってほしい』等の住民監査請求に対して、「余剰金が生じても、契約上の義務を履行しているから問題ない」とした監査結果が、市民感覚として理解できない旨を市長への手紙に託しましたが、「門前払い」と思わせるような返事でした。


「税金を有効に使う」「市民の税金をおあずかりしているという気持ちで仕事をする職員の意識改革」このことが実現できれば、納税者としてうれしいことはありません。

私たちが監査請求した委託事業の額は大きな金額ではありませんが、今回の件は特命随意契約です。町田市の担当職員、或いはリサイクル公社とNPO法人が、経費についてはキチンとやり取りをした上で、委託費の金額を決め、契約している筈です。そこで何故、多くの余剰金が出るのか、不思議に思うのが当然だと思います。委託契約をした後はノーチェックで、詳細は問わないのがルールであるなら、やはりそのルールを見直してほしいものです。

三重県のように、きちんとチェック機能を持っている自治体もあるのですから、町田市にできない筈はないと思います。

文化、環境、福祉等の部所で、NPO法人、公益法人、官庁による不透明な会計等の問題が会計検査院から公表され、話題になっています。これはおかしい、問題ではないかと気付いた市民が、声も上げず、見て見ぬふりをしていたら、世の中はどのようになるのでしょうか。

もし、基本的なルール、仕組みがないまま「問題ない」「関与できない」と判断されてしまうなら、市民の持つ不公平感、不透明感を解消し、信頼関係を築くことは困難だと思います。税金の番人だと思っていた監査機関ですが、今後も、こうした場面に直面した時、市民はどういう行動を取ったら良いのか悩みます。